「復活節第2主日」(A年) 説教
2011年5月1日・加藤 英雄師



信者は、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心でありなさい。
使徒の教え:神様は今も生きておられる。律法の文字の中におられるのではない。神様のみ心を知る。神様のみ心の内に生活する。そして何よりも、イエスの姿をいつも思い起こすのです。イエスの姿に神様を見るのです。
相互の交わり:交わりをコイノニアと言うそうです。そしてコイノニアには協力する心。分け与える心、分け前に与ることと言う意味があるそうです。支えあう、支えてゆく、その人のために働く者となるという関係です。
パンを裂く:家父長がパンを取り、それを裂いて、皆に分け与える。そこから食事が始まるようです。しかし、今、イエスが共にいてパンを裂いてくださる。「取って食べなさい。これがわたしの体である」(マタイ26・26)。これが裂かれたわたしの体。パンを裂く事がイエスの姿を示すものとなったのです。
そして何よりも祈ります。
使徒の教えを通して、復活を信じます。ご聖体、御血の秘跡を信じます。

 弟子たちはイエスに従って歩いていた。イエスは神の力を持っている。イエスによって新しいイスラエル王国が造られる。希望を持って、信仰の道を歩む。しかし、イエスは十字架を背負って、わたしたちの前を歩かれた。三度も倒れた。そして、ゴルゴタの丘で十字架に釘で打ちつけられた。十字架の上で死に渡された。ご死去。
日曜日、弟子たちは恐怖と不安の内に集まった。家には鍵がしっかりとかけられていた。弟子たち一人ひとりの心にもしっかりと鍵がかけられていた。イエスの捕えられた姿を見た。わたしはイエスを捨てて逃げてしまった。わたしはイエスの何だったのか。
その時、イエスが来て真ん中に立った。「あなたがたに平和があるように。」弟子たちは驚いた。イエスはしみじみと、穏やかに弟子たちに挨拶されたのです。恐れる事はない。主の喜びの内に平和を実現する者となりなさい。お前たちがわたしにどのような事をしても、お前たちはわたしの子。イエスは弟子たちに息を吹きかけられた。あなたの心を聖霊で満たします。心と体が新しい命で満たされる。新しく生きるものとなりなさい。土の塵であった人は神様の息吹で生きるものとなった(創世記2・7)。そして、今、神であるイエスは弟子たちに息を吹きかけられた。新しい命の聖霊を注がれた。新しい命に生きるものになった。

 正直者のトマスはみんなの話を信じない。そんな事があろうか。イエスがわたしの目の前に来て、わたしがイエスのその手、そのわき腹を触れる事が出来るなら信じよう。八日の後、日曜日、トマスは弟子たちと共にいた。イエスが来られた。真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように。」と言われた。イエスはトマスに言われた。わたしに触れなさい。あなたの体で感じなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。トマスはイエスに会った。その姿に言葉が無かった。
理解しなくてもよい。神様の不思議を、喜びをもたらす不思議を信じなさい。人を豊かにする、人を強くする神様の不思議を信じなさい。愛のうちに動く神様の不思議を信じなさい。自然を愛します、人を愛します。

 見ないのに信じる人は幸いである。復活を信じます。ご聖体、御血の秘跡を信じます。



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