「待降節第4主日」(B年) 説教
2011年12月18日・加藤 英雄師


 

マリアはダビデ家のヨセフの許婚(いいなずけ)でした。婚約が成立すれば、婚約者として守られます。この頃、女の人は普通13歳くらいで婚約したそうです。マリアは田舎の女の子、ガリラヤのナザレに住んでいました。その日、天使ガブリエルはナザレにいる13歳の少女マリアを訪問されました。
「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
あなたは恵まれた方です。おめでとう。恵み:あなたは神様から選ばれ神の子を宿します。あなたから神の子が生まれるのです。こんなに喜ばしいことはありません。神様にご自分の子を世に送られます。ご自分の子をあなたに委ねられたのです。恵みとは役割を与えられることです。大きな恵みが与えられるとは、それだけ大きな役割が与えられることです。重荷をあなたに委ねます。重荷を背負って運んでください。
この子をイエスと名づけなさい。イエスとは主は救い、救いは主からと言う意味です。この子は神様の命のうちに生きます。神の子、聖なる者と呼ばれます。
マリアは言います。わたしはまだ結婚していません。そんなことがあるのですか。天使は言います。神に出来ない事は何一つない。マリは言います。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」

お母さんになる。神様に選ばれて、この子のお母さんになるのです。この子に人の温かさ、おおらかさ、心の優しさを、そして、感謝する事、ごめんなさいと謝ることを教えるのです。また、話を聞く者になる事、困っている人に心を使う事、喜びを喜ぶ事、苦しむ人、悲しむ人に心を砕く事、そして何よりも神様を大切にすること、祈る事を与えられた子供に教えるのです。お父さん、お母さんがその心を持って生活する時、それが一番大きな導く力となります。

マリアは言いました。わたしは主のはしためです。主のはしためとは神様の道具と言う事です。わたしに与えられる出来事はすべて神様からのもの。出来事をすべて受け入れます。この心、この体が神様の役割を果たすものとなりますように。神様のお言葉どおり歩めますように。マリアは信仰によって世界を動かす働きをなさったのです。

マリア様は重荷を背負って歩まれました。神様の道具となりました。心と体を持って神様の役割を果たしました。この子の母親として歩みます。
家庭を持つ。子が与えられる。マリア様の役割はすべてのお父さん、お母さんに与えられているのではないでしょうか。子と共に神様の道を歩む。
母マリア様の信仰を思い巡らしながら、イエスの誕生を待ち望みます。

 



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