「主の昇天」(B年) 説教
   2012年5月20日・加藤 英雄師


  十字架で命を奪われたイエスが、死んだイエスが弟子たちの前に現れた。弟子たちは復活のイエスと出会ったのです。わたしは新しいのちに生きている。弟子たちは思います。すべて神様から与えられた出来事なのだ。わたしたちはイエスに出会った。イエスに神様を見た。死を超えた方、イエスこそ神様の姿だ、そう確信した。 弟子たちの前でイエスは神の国について話された 。弟子たちは思った。わたしたちのグループは小さい。しかし、神様がわたしたちを見ておられる。神様は万軍の主。主イエスのもとに神様は万軍を送ってくださる。使徒たちは尋ねた。イスラエルのために国を建て直してくださるのはこの時ですか。イエスは答えます。この世の出来事を超えて神の国は来る。時は父がご自分の権威をもってお定めになることです。あなた方の知るところではない。

イエスは言われます。出て行きなさい。自然と出会い、自然に感謝する。自然のために働く者となりなさい。人と出会い、人に感謝する。人のために働きなさい。全世界に出て行って、福音を宣べ伝えなさい。 全世界…大地、大海、動物、植物、海に生きるもの、空を飛ぶもの、すべて生きるもの、また、命のないもの…はすべて神様が造られたもの。神様はすべてのものを良いものとして造られた。神様の喜びであった。しかし、人は罪のうちにいる。罪…人は世界を自分の欲求の場とした。 イエスは言われます。全世界に行き、欲求の渦巻く世界に行き、福音を告げ知らせなさい。福音は喜びの知らせです。神様から与えられた恵みを喜ぶ。福音は奪うのではない。与えるのです。与える喜びを知るのです。わたしたちは自然によって支えられ、生きている。世界はわたしたちに与えられた恵み。自然が生きて、人が生きる。自然に与えるとは自然のために働くこと。自然を人の我儘によって壊してはいけない。 忘れてはいけない。生きるとは与えられていることです。そして与える者になる。福音を告げ知らせなさいと言われる。
信じる者になりなさい。神様を信じます。キリストを信じます。聖霊を信じます。信じるとは見つめることです。感謝することです。そして、そのことのために働くことです。今日、イエスは言われます。信じる者は神様と共にいるもの。平安が生まれる。信じる者はイエスの名によって悪霊を追い出す。手で蛇をつかみ、毒を飲んでも決して害を受けない。病人に手を置けば治る。悪霊に、悪に堂々と対峙する。蛇は悪への誘惑でしょうか。知識の誘惑。名誉への、力への誘惑でしょう。

イエスは天に昇られた。イエスの昇天は天と地をますます強く結ぶものです。見えないイエスは、宣教に出かける弟子たちと共に働いておられるのです。わたしたちと共に働いておられるのです。


   


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