「年間第21主日」(A年)説教
2014年8月24日・加藤 英雄師


 

  イエスと弟子たちは今、フィリポ・カイサリア地方にいます。ヘロデ大王がローマの皇帝アウグストゥスからこの地を拝領し、パンの祭壇を造ったり、皇帝の像を安置し、皇帝に敬意を払った。息子フィリポはこの町を拡張し、自分の名をつけ、フィリポ・カイザリアとした、北の町です。
イエスは弟子たちに聞きます。人々は人との子、わたしのことを何者だといっているか。人々はわたしに何を求めているのかと問うています。弟子たちは言います。洗礼者ヨハネ、エリヤ、エレミヤだと言いう人います。また、あの預言者の一人ではないかと言う人もいます。
あの預言者とは、申命記18・15~に記されている方、あなたの神、主はあなたの中から、あなたの同胞の中からわたし(モーセ)のような預言者をたてられる。あなたたちは彼に聞き従わなければならない。彼がわたしの名によってわたしの言葉を語るのに聞き従わない者があるならば、わたしはその責任を追及する。
  主イエスよ、人々はあなたに神様の心を見ています。 この時のイスラエルはローマの支配下にあります。人々は思います。イスラエルは植民地であってはならない。神様のみ言葉のうちに、神様の祝福を告げ知らせるものでなくてはならないのではないか。わたしたちはローマと戦うべきではないか。  人々は苦しい生活の中で自分たちの信仰を求めている。神様のみ心を求めている。預言者を求めているのです。
イエスが問われていることは、わたしたちに問われている問題です。世の中が暗闇のようになっているこの社会で、わたしたちは神様に何を求めるのか。わたしたちは今、何をしたらよいのか。あなたはわたしに何を求めているのですか。
イエスは弟子たちに言います。あなた方はわたしを何者だというのか。ペトロは言います。あなたはメシア、生ける神の子です。わたしたちはあなたに神の姿を見ています。あなたはわたしたちの目の前にいます。神様のみ心が、今、わたしたちの目の前で働かれている。あなたに神様を見ています。 イエスは言います。シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。(シモン=神が聞きたもうたと言う意味。 バルヨナ=ヨナの子。) あなたにこのことを現したのは、天の父なのだ。天の父があなたの口を開いたのだ。
  あなたはペトロ、岩。あなたの上に、この岩の上に、わたしの教会を建てる。わたしの名によって集まる場となる。教会は天の国の出発の場。教会から天の国の出発の道が始まる。教会は陰府の力も対抗できない。
ペトロ、あなたの天の国の鍵を授ける。 この時、わたしはダビデを思ったのです。神様はダビデにイスラエルの鍵を与えられた。ダビデ、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。(サムエル下7・1~) イスラエルはダビデによって治められる。ダビデの子孫によって治められる。今日、イエスはペトロに天の国の鍵を授けられた。ペトロ、あなたは天の国の鍵を持つ。イスラエルは教会から始まる天の国ではないか。新しい天の国に向かって歩む。
新しい過越しです。
わたしたちは天の国に向かって新しい出発をします。この社会を変えたい。
力をください。わたしたちはイエスに何を求めるのでしょうか。
いや、そうではない。イエスはわたしたちに何を求めておられるのか、神様に祈って行きたいのです。
     


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