「神の母聖マリア」説教
2015年1月1日・加藤 英雄師


 

  新年明けましておめでとうございます。  イエス様の誕生日から8日目に年の初め、1月1日を迎えます。年の初めに世界平和のために歩く、働くことを心に留めます。そして、神の母マリア様を思い巡らします。8日目は出発の時です。新しい出発という意味が込められていると思います。

イエスのお母さんマリアは14,5歳の女の子です。大天使はマリアに言われました。あなたは男の子を生む。その子は偉大な人になり、ダビデの王座が与えられる。ヤコブの家をとこしえに治め、お生まれになる子は神の子と呼ばれます。 マリアはこの出来事に胸騒ぎがしています。何をおっしゃっているのでしょうか。わたしは何も出来ません。父さん、母さんから教わったことを毎日しているだけです。 この出来事は世を変える出来事です。しかし、すべて神様のみ心ですよ。神様の思いです。 マリアは言います。わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。

イエスがお生まれる前から、マリアには不思議な出来事が次から次へと起こりました。ベツレヘムには泊まる家がなかった。①家畜小屋でイエスを生むことになった。宿屋に泊まっているお母さんたちがマリアを助けた。今、イエスはろばや牛と共にいる。②遠方、東の方から博士たちがイエスを礼拝に来た。③羊飼いたちが訪ねてきた。彼らが言う。わたしたちは天使たちに会った。天使たちは言った。メシアがお生まれになった。輝いている大きなお星様をたどって来た。
マリアは身に起こる出来事を一つ一つ丁寧に受け取り、一つ一つを心に納めている。時に、思い巡らしているのです。そして、間もない時、神様の言葉だと言い、ヨセフがエジプトに行くというのです。しばらくしてエジプトからナザレに帰ります。 分からない出来事に囲まれている。マリアはそのような生活のうちに、出来事を静かに見つめている。

何も出来ない少女が神の母。少女マリアを思い巡らします。そして、今、神の母マリアを祝うと同時に世界平和会を求める日です。 平和:今起っている出来事をじっと見つめ、一つ一つを心に納めるのです。そして、そのために何が出来るか、何をするのかを考え、思い巡らすのです。平和は与えることです。与える者になることです。

マリアは働き者の少女。お祈りの好きな少女。マリアは自分の周りに起こった出来事を見つめ、心に納め、働く者、与える者になって行きます。
「いのち」を知った者は与える泉となる。愛の泉となる。優しさの泉となる。赦しの泉となる。命の大切にする泉となる。手伝う泉となる。

時が満ちた。 その時が来た。イエス様による出発の時。この世から神の国に行く出発の時。神の国はエデンの園ではないかと思うのです。赦の恵みを受けたものの国。隣人のために働く国。
時が来て、神の子がこの世に生まれた。その子によって新しい出発の時が与えられた。いのちへの出発。神の国エデンへ向かって歩むのです。

わたしたちは今歩いているこの道が正しいか、悪いかを思いながら生活してきました。律法によって正しい人となると教えられてきました。神様のみ心にかなう者として歩む。律法によって歩む。そして、正しい人が神の国に入ると教えられてきました。 ちょっと違う。自分が正しい者となるために神様のみ心にそって歩くのですか。神の国に入るために正しい者となるのですか。
違う。 人が生きる。それを喜ぶのです。生きられない人がいる。それを知った時、その人のために働くのです。生きられない人がたくさんいます。その人をほっておいて正しさはありません。
(善きサマリア人の話、すべての民族を裁く―マタイ25・31‐46)  

一年の初め、年頭に当たり、神の母マリアを思い巡らし、世界平和を考えたいと思います。


戻る