「四旬節第1主日)」(B年)説教
2015年2月22日・加藤 英雄師


 

  創世記、ノアの箱舟を読みます。
神は言われる。わたしはあなたたち、そして後に続く子孫と契約を立てる。
契約とは神様のみ心、思い。立てるとは、寝ている、休んでいるものが立ち上がる、歩き始めることです。契約を立てるとは神様のみ心、思いを約束し、行うことです。わたしの思いをあなた方に行うすべての生きるものと契約を立てる。すべての生きるものをわたしの思いのうちに包む。わたしの契約、心の思いはあなたたちが生きることです。すべてのものが生きる、生き生きと生きる。二度と洪水によって、生きるものが滅ぼされることはない。洪水が起こって地が滅ぼされることはない。わたしの契約は代々とこしえに続く。雲の中に虹を置く。これがわたしと大地との契約のしるしとなる。虹は弓です。神様の人々への思いは弓の思いであった。弓に矢をつがえ、悪を打つ。弓の矢で悪を滅ぼす。しかし、弓は虹になった。虹が弓、恵みの矢が人に降り注ぐのです。

   神様は恵みを降り注がれます。生きなさい。生き生きと生きなさい。神様は預言者を送られました。
何十人と送られました。しかし、預言者すべての人が迫害され、追放され、殺されました。
ついに、神様はご自分の子をわたしたちの世に送られたのです。
神様は人となって、人の世界に、人と友に生きる。わたしたちはイエスと出会ったのです。

イエスは洗礼者ヨハネから洗礼を受けられた。人々の中で洗礼を受けられた。人々はイエスを見た。イエスは仲間として、人々と一緒に神の道を歩む者となったのです。
イエスが洗礼を受けた時、天が避けて、霊が鳩のようにイエスご自分に降って来るのを、ご覧になった。天から声が聞こえた。「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」

霊はイエスを荒れ野に導きます。荒れ野は命のない所です。イエスよ、そこで人の命を見つめなさい。神様が人となられた。人の弱さ、小ささを知っている。いや、知らない。イエス、あなたは人ですが、人の弱さを体験していない。人の小ささを体験していない。人の苦しみ、悲しみ、欲求による心の動きを体験していない。イエス、あなたは人を知らない。この荒れ野にとどまりなさい。イエスは40日間そこにとどまった。サタンと出会った。サタンの誘惑を受けた。マタイによる福音書では、3つの誘惑が描かれています。
①空腹なイエスを誘惑します。これらの石がパンになるように命じたらどうだ。空腹が癒される。パンを作って空腹から癒されなさい。生きなさい。イエスは答えられる。人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。
②悪魔はイエスを聖なる神殿の屋根の端に立たせて言う。飛び降りたらどうだ。聖書に神があなたのために天使たちに命じると、あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える、と書いてある。イエスはあなたの神である主を試してはならないとも書いてあると言われた。
③悪魔はイエスを非常に高い山に連れて行き、世のすべての国々とその繁栄ぶりを見せて、もし、わたしをひれ伏して拝むなら、これをみんな与えようと言った。イエスは言われた。退けサタン。あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよと書いてある。

イエスは、荒れ野で人が生きる、小さい、弱いものである人が生きることを心と体で知ったのです。

ヨハネが捕らえられた。仲間であるヨハネがヘロデによって捕えられた。それを知ったイエスは自分の育ったところガリラヤに帰ります。イエスは神の福音を宣べ伝えます。「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」

ペトロは言います。箱舟は今や、教会である。悪を拭い去る神様の水で洗礼を受ける。キリストに結ばれ、教会に入る。舟に乗って、キリストのうちに、神様への道を歩みます。


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