「キリストの聖体」(B年)説教
2015年6月7日・加藤 英雄師


 

  子供のなりたい人は何かを見てみました。小、中学校の子供たちです。男の子:①サッカー選手②科学者③警察官、お医者さん、電車の運転手 女の子①パティシエ②お医者さん③幼稚園、保育園の先生 大人のわたしたちは感心したりします。みんなの中でそんな人になってみたいんだ。社会の中で働くという思いは全くないと思いますが、本当の意味で働く、人々の中でこの楽しい仕事をしたいと思っているのです。
ある小学校で先生が聞きました。みんな、大きくなったら何になりたいか。みんな声を張り上げます。サッカー選手、野球の選手、宇宙船で働きたい。ケーキを作る仕事をしたい。幼稚園の先生になりたい。イエス少年はみんなの話に聞き入っています。先生はイエス少年に聞きました。君は何になりたい? 僕はパンになります。お腹が空いていても食べられない人の為のパンになります。みんなそれを聞いて笑います。パンは買って食べればいいんだよ。その人たちはお金がないんだ。だから買って食べられないんだ。お金がない人の為ならば、お金持ちになればいいんじゃないか。お金持ちが貧乏な人にお金をあげればいいんだ。お金持ちになって食べることも出来ない人たちのために何かをあげるのかい? お金持ちが貧しい人になるんだね。お金持ちはどんどん貧乏になって行く。お金持ちが助けてあげたい人ために働いたら、一番の貧乏になるね。人の一番大切な事は食べる事じゃないかな。だから僕はみんながパンになったらいいと思ったんだ。

お父さんがイエス少年に言ったのです。一番大切な事は食べることだ。体の栄養も大切だけど、それと同じくらい、それ以上に、心の栄養も大切だよ。人を大切にしたい心をその人にあげたらいい。心をあげる人になったらいい。心が物になる。心がこもったパンになるのが一番いいと思ったんだ。
  過越し過ぎの祭りの時です。イエスは弟子たちと共に、過越しの食事をします。小羊、苦菜で包んで食べる種なしパンが用意されています。

イエスはパンを取り、言われます。これをとって食べなさい。これは、あなた方のために渡される、わたしの体である。杯をとって言われます。これを受けて飲みなさい。これは多くの人のために流される、わたしの血の杯。
過越しの食事は新しい出発の食事です。モーセがエジプトからイスラエルの人々を導いた。新しい国へ出発した。今、イエスがわたしたちの主だと知った。イエスがわたしたちを新しい国へと導かれます。新しい国への道を歩む。みんなが楽しく、生き生きと生きる国を造って行く。
イエス少年は言います。一人では生きて行けない人がいる。体が不自由だったり、小さい頃から病気で働くことが出来ない人たちがいる。僕はその人たちが生きるために僕の全部をあげたい。そして、その人たちが生きる喜びを知ったらいい。

今日、キリストの聖体を祝います。そして、今日、洗礼式があります。洗礼を祝い、初聖体を祝います。キリストの思いを知って、善い子になって、毎日を過ごしてほしと思います。


戻る