「復活節第3主日」(C年)説教
2016年4月10日・加藤 英雄師


 

  ティベリアス湖にペトロが疲れて休んでいる。弟子たちが疲れて休んでいる。 夜通し漁に出ていたのである。何も取れなかった。
夜が明けてきた。さみしい夜明けだった。

岸に人が立っている。その人が近づいて来て、弟子に言った。
「子たちよ、何か食べるものがあるか」
「ありません」疲れている弟子が答える。
その人は言う。舟の右側に網を打ちなさい。そうすれば取れるはずだ。
その人の言葉が弟子たちの心に響く。疲れを癒す力がある。その言葉が弟子たちを促す。
舟を出す。漁をする。網を打ってみるとおびただしい魚がかかった。
あまりに多くて網を引き上げることが出来ないほどだった。
ヨハネがはっと思ってペトロに叫んだ。「主だ。」

主がわたしたちを見つめている。わたしたちを包んでいる。
主の言葉が弟子たちを導いている。
弟子たちはイエスに出会った。

「さあ、朝の食事をしなさい」
神様からいただいた魚を食べる。パンを食べる、野菜を食べる。
神様と出会った喜びを食べる。
今、この不思議、イエスと共に食事をする、この喜びを共に味わう。

食事が終わった。イエスはペトロに言われた。
「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」
「はい、主よ。わたしの愛をあなたがご存知です。」
イエスはペトロに三度も聞きます。
「あなたはわたしを愛しているか。」

三度も聞かれる、ペトロは思い出したのです。
わたしは最後の晩餐でイエスに誓った。あなたをいのちにかけても守ります。
十字架にかかると知った時、わたしはイエスを見捨てて逃げ去ってしまった。
お前はイエスの仲間かと問われて、イエスなど知らないと言い、イエスの名を呪ったのです。
ペトロは悲しくなった。
今、あなたの前で言います。
あなたを愛しています。
あなたは何もかもご存知です。
イエスは言われる。
ペトロ、あなたはわたしを愛している。
わたしの羊を飼いなさい。わたしの羊の世話をしなさい。

そして、イエスはペトロに言われた。
わたしに従いなさい。

イエスはペトロに愛しているかと三度聞きます。
愛する、二度アガペの愛か聞きます。
ペトロは三度とも、フィリウスの愛で愛していますと答えるのです。
三度目にはイエスはフィリウスの愛で愛していますかと聞きます。

ペトロはフィリウスの愛で愛していますと答えます。

羊を飼う、羊の世話をする。それがわたしへの愛。愛は体で表すのです。
愛は言葉ではない。心ではない。友情ではない。大切に思う心情ではない。
羊の世話をしてゆくうちにイエスへの愛が分かる。
身体が疲れるほど働く。羊の心を見る、体を見る。自分の全部で愛する。
それがアガペの愛だと分かるのだと思います。

アガペの愛はいのちに響く愛です。

イエスは言われます。
働いていますね。ありがとう。
さあ、朝の食事をしなさい。


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