「年間第33主日」(C年)説教
2016年11月13日・加藤 英雄師


 

  11月は死者の月です。 人は神様から命を注がれ、いのちを得ます。生まれ、生きる。わたしたちは今、生きています。そして、ある日、神様から呼ばれて、神様のもとに帰ります。あぁ、亡くなってしまった。死者の世界に入られた。 わたしたちは普段、生活の中で死んだ人たちを思い起こさないのではないかと思います。しかし、死者の世界は隣の世界です。死者の世界とわたしたちの世界はもっと近いのではないかと思います。

実は兄が帰天しました。顔を見ようと思えば、いつでも、見ることは出来る。しかし、離れて生活していますから、どんな生活を送っているかよく分かりませんでした。良い父さんでした、と甥、姪が言います。知らない兄がそこにいます。兄弟でも中身は分からなくなってきていると思ったのです。

11月2日(水)は死者の日、亡くなった100数十名の名を呼び追悼を行いました。3日は共同墓参、お墓の前で一人一人に祈りを献げました。4日は慰霊堂で4つの宗教団体が慰霊と平和のために祈りました。カトリック教会の祈りが、きれいな賛美歌が入り、とても素敵でした。そして、先週はお二人の葬儀がありました。

これほど、死んだ方たちのために祈ったことはありません。若い時、死は別の世界の出来事だと思っていました。先輩の人たちを思う時、今、わたしたちが住んでいるこの社会は、亡くなった先輩たちが作り上げてきている社会だと思うのです。

わたしたちは支えられてきました。しかし、どのような人たちであったか、聞かれても分かりません。
わたしたちは人に無関心なのではないでしょうか。

愛しなさい。隣人を自分のように愛しなさい。

神様は言われます。あなたはまだ巨大な、美しい建物に心を動かされますか?スカイツリーに感心していますか? 見える世界から見えない世界を思いなさい。自分自身を見つめなさい。
あなたは隣人のために本当に苦しんだことがありますか。隣人のために祈った、祈った、祈った。その人に心を向け、お金、時間を使った。一緒に苦しんだ。その時、その人は最早、隣人ではない、本当の友、兄弟を獲得するのです。
出来事に本気で取り組む。その時、自分の不甲斐なさ、何もできないことを知るのです。 つながる。時が大きな力となってくれます。時が二人を包んでくれます

もう一つ話したいと思います。
「働かざる者、食うべからず。」
目の前に苦しんでいる人を見たら、そばに寄る、声をかける。
話を聞いてもらいたい人がいたら、耳を傾ける時間を作る。
働くとは隣人のために働くこと。これがわたしたちの役割ではないでしょうか。愛とは隣人のために働くことです。 働かざる者は神様の恵みが遠すぎて、食べられません。
  


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