教会報第190号 巻頭言
イグナチオ・デ・ロヨラ渡邉泰男神父

  


主の御降誕と
新年のお慶びを申し上げます

前号の続きは今月はお休みにします


    12月26日から28日まで草津のハンセン病回復者の国立療養施設「栗生楽泉園」に、ハンセン病市民学会教育部門の先生に誘われ、合宿研修会に行ってきました。この研修会中、ちょうどカトリック草津教会(この施設内にある)で、ミサを行うとのことで、中座して共同司式をしてまいりました。ここには、ハンセン氏病回復者で、高齢のYさんという一人のカトリック信者の方がおられます。この方とつながっている群馬県や近県の方々が大雪警報の中、遠くから駆けつけて、クリスマスのミサに参加されました。
 それは、まさに聖書に書いてあるような光景でした。ロマンチックな雰囲気というよりも、臨月を迎え、旅先で出産した聖母の大変な状況を想起させるものでありました。
このいのちの誕生を、聖母は母として喜んだことでしょう。 この救い主の誕生を、私たちも喜び祝います。
 それは絵空事ではなく、これから私たちの生活、日常の中で主キリストを、救い主との出会いを求め、深める人生の旅でも、この一年の歩みでもありましょう。それぞれに与えられた使命 それは、はっきりとは私たちにはわかりませんが を通して身も心も解放され、自由になったとき、きっと悟らせていただける体験でしょう。
 主キリストが、私たちに与えられた人との付き合い、出会いを通して、私たちに主キリストとの出会いを垣間見させてくださるでしょう。あなたのそばにいる人に、主キリストが寄り添っておられるかもしれません。私たちは無関心ではなく、その方を通して救いの業をされておられる主キリストによって、私たちの頭ではなく、肚の底からの聖霊の促しに素直に従って歩んでいきたいものです。



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