「待降節第4主日」(B年)説教
2014年12月21日・加藤 英雄師


 

  神の子イエスがお生まれになる。わたしたちはイエスの誕生を待っています。福音書はイエスの語られた言葉、行い、イエスの姿が描かれています。今日のルカによる福音書はイエスの誕生の準備が描かれています。福音の出発です。もう一度、福音を思い巡らしたいと思います。

神様はその時を定められました。ご自分の子を世に遣わそう。神様は、神のために働く人を選びます。人の中から選びます。例えば、旧約聖書に多くの預言者が選ばれています。普通の生活をしている青年が神様に呼ばれる。特に有能である青年が選ばれるのではないようです。神様に呼ばれ、自分の信仰を見つめるのです。聖人:神様の言葉を見つめた人です。自分に声をかけられた。

 神様はマリアに目をとめられました。マリアはよく働きます。父さん、母さんの言葉を素直に受け取ります。いつも微笑んでいます。友達、仲間からの信頼が厚い。神様を大切にします。よく祈ります。マリアをイエスの母とするように神様は選ばれたのです。

大天使ガブリエルがマリアを訪問します。マリア、おめでとう。あなたは神様から大きな恵みを与えられた。あなたは男の子を生む。 マリアは驚きます。わたしはまだ結婚していません。どうしてそのようなことがありえましょうか。 聖霊が、神様の力があなたを包んでいます。その子は神の子、偉大な人になります。ヤコブの家を治め、その支配は終わることがありません。神様はみ心のままに行われます。神様に出来ない事は何一つありません。 神様の恵みは大きい。マリア、あなたは神様から選ばれた。あなたは大きな出来事を背負うのです。
恵み:わたしたちは恵みとは平安が与えられること、喜び、楽しみが与えられることだと思っていました。神様は言われます。愛しなさい。生きることは愛することです。神様からの恵みは愛するために力が与えられることです。平安が与えられる、喜び、楽しみが与えれらるのではない。いのちを愛する。人が生きる。あなたはそのために働くのです。神様が求める正義のため、愛するため、与えるために苦難がある、困難な荷物がある。その苦難、困難を背負う力が与えられることです。与えるために与えられる。 
マリアは言います。わたしは主のはしためです。お言葉通りこの身に成りますように。

わたしたちは今迄与えられた神様の出来事を見ています。神様の出来事すべてが福音だと思うのです。出来事を見つめる。イエスの姿の中に入って出来事を見つめ、受け入れたらいいのではないでしょうか。イエスを見つめる。イエスから与えられた道を歩む。それは過去の出来事を思いながら歩むのではありません。イエスの中に生きるいのちの喜び、愛する喜びを見出すのです。
愛するため、命の大切さを知らせるため、与え、与え。与えられた。福音は動いている。人と出会い、つながりなさい。イエスの内に、憐れみ、慈しみ、穏やかさ、静けさ、清さを見つめます。福音は神様への献げものです。最も大きな献げもの、自分自身です。

マリアは母としてイエスの中に入ります。信仰が目の前に働いている。母として子を受け入れる。イエスの出来事をすべて受け入れるのです。子がいるための苦労、困難を受け入れます。分からないことを心に納めます。子供のわたしは何も知らない。イエスを身ごもった時から、いろいろな出来事が起きている。不思議、不思議です。不思議は神様から送られた出来事。すべての出来事に神様の声を聞きます。すべての出来事を受け取ります。

余談かも知れませんが、神様は神殿を求められていない。わたしは人々と共に動くのです。幕屋が神殿であった。神殿で人を見下げるのではない。あぁ、そうか。神様はマリア様を神殿となさった。神様を宿すところ。そして、パウロは言います。今、イエスを宿すところはわたしたちの体。イエス様がわたしの体に入って来られる。

福音とは何ですか。信仰とは何ですか。今起こっている出来事をどのように受け取っていますか。イエス様の誕生を待っています。福音の始まり。信仰生活を見つめ直したいと思います。


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