「復活節第2主日」(C年)説教
2016年4月3日・加藤 英雄師


 

  復活節第2主日は神のいつくしみの主日です。ヨハネ・パウロⅡ世教皇が定められました。
すべてのものは神様の慈しみのうちにある。すべてのものが働き、動いている。
神様はわたしたちを造り、この世に生んでくださいました。愛のうちに人にいのちを与えられている。神様の命は失われることがない。わたしたちは永遠のいのちを知っています。
イエスの復活によって新しい命、永遠のいのちを目の前に見たのです。
新しい命に生きるイエスと出会った今日、特に今日、神様のいつくしみを喜び、感謝します。

ある日、弟子たちの前でイエスはペトロに言われました。わたしはこの岩の上に、ペトロの名の上に、教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。

信仰のうちに生活しなさい。信仰の力が教会を動かすのです。信仰とは人間のことを思わず、神のことを思うのです。わたしについて来たい者は自分を捨て、自分の十字架を背負ってわたしに従いなさい。自分のいのちを救いたいと思う者はそれを失うが、わたしのためにいのちを失う者はそれを得る。

イエスは十字架にかけられ苦しみのうちに命を奪われました。弟子たちは会堂に行けない。
週の初めの日、主が復活された日、日曜日、弟子たちは集まって祈り合った。イエスのことを語り合った。集まっている家の戸には鍵がかけられていた。イエスを語り合う秘密の、自分たちだけの場所。

そこへイエスが来られた。みんなの真ん中にお立ちになった。イエスの心が弟子たちみんなを包んだ。イエスは言われる。「あなた方に平和があるように。」

あなた方は今、閉じこもった家の中にいる。出て行きなさい。人と出会いなさい。秘密にしていることが正しいものならば、秘密にしておきたいことが光り輝くものならば、閉じ込めるのではなく、かえって告げ知らせなさい。

平和があるように:平和とは人とつながることです。
苦労、苦難を支え合うことです。喜びを共にすることです。
平和のために働く:すべての人が神様から命を注がれている。人を、すべての人を大切にするのです。閉じこもってはいけない。出て行き、告げなさい。

トマスは皆の言うことを聞いた。何を言っているのだ。死んだ主が生き返った? 主と出会ったというのか。わたしは主の体に触れなければ信じない。傷跡に触れなければ信じない。決して信じない。

日曜日。弟子たちは集まっている。家に鍵がかかっている。
イエスが来られた。弟子たちの真ん中に立った。
そして言われる。「あなた方に平和があるように。」
  イエスはトマスに言われる。
「わたしの傷跡に触れなさい。信じないものではなく、信じるものになりなさい。」
  トマスは答えて言った。「わが主、わが神。」

わが主、わが神。
生意気だったわたしはこの言葉に心を動かされました。
もの知っていることほど強いものはない。議論をして打ち負かせばいい。本を読んだ。勉強した。
今から考えると、知識の家に閉じこもっていたのです。知識の家と言っても、ほんの小さな家です。人に負けたくない。心を開けない。

わが主、わが神。
神様が、イエスが前におられる。イエスが苦笑いしている。自分を捨てなさい。
信仰とは自分を明け渡すことです。見ないで信じる者は幸い。自分を捨てる。あなたが生きるのではない。キリストがあなたの中で生きる。キリストのいのちに生きる時、あなたは本当のあなたです。

神のいつくしみの主日です。
わたしたちに言われます。心を開きなさい。信じないものではなく、信じる者になりなさい。
わたしはあなたたちを包んでいる。

イエスにもっともっと触れることが出来ますように。


戻る