「キリストの聖体」(C年)説教
2016年5月29日・加藤 英雄師


 

  新しいカトリック教会のカテキズムを開きました。ご聖体について、いろいろな外国語が書かれていました。
聖体の秘跡をエウカリスチアの秘跡といいます。エウカリスチアは感謝の祭儀という意味だそうです。また、聖体拝領をコムニオと呼ばれます。コムニオは交わりという意味だそうです。
聖体拝領のときキリストの御体、英語でBody of Christと言います。

ご聖体、キリストの体が感謝を現し、交わりを現している。
ご聖体は感謝の出来事:キリストの生涯の姿、愛の姿、命の姿です。
交わり:ご聖体によって心の交わりが命の交わりとなる、そのように思います。

わたしを食べなさい。わたしを食べた時、わたしがあなたの中に入った時、あなたはわたしに食べられるのです。あなたはわたしによって生きる。あなたはわたしの道具となる。神様がイエスを食べた人の中に住むのです。

いきなりですが、終わりの日が来ると言われた。それを知った時、あなたはその時、何をしたいですか。あなたの一番大切なものは何ですか。今まで、自分にとって一番大切なものは何かをゆっくり思ってみなかった。今まで、何のために生きて来たのか。
終わりの日が来る。見えるもの見えないもの、この世が滅んでしまう。わたしたちは信じています。この世が終わっても新しいいのちの世界がある。新しい世界を信じなければ、希望はない、希望など生まれない。

癌の病気で、あと三か月の命ですと言われる。他人のことではない。自分の事として迫ってくるのです。その日から、日一日、一番大切なことのために生きたいのではないでしょうか。

ペトロは思っています。わたしはイエスの一番近くにいました。イエスの毎日の生活を見ています。そしてイエスによって愛を知りました。愛は心と体のつながりです。生きる命のつながり。一緒に生きる命を求める。人は生きるために助けを求めている。助けがなければ生きて行けない。その人と出会うのです。その人が隣人。隣人のために働く。イエスにとってすべての人が隣人でした。隣人を友とする。いや、それ以上に隣人を兄弟としなさい。愛しなさい。兄さんのために、姉さんのために働きなさい。弟のために、妹のために働きなさい。自分の全部を使って働きなさい。そのためにいのちを捨てること、それ以上大きな愛はない。

ペトロは何度も言います。神は愛です。(Ⅰペトロ4・7~)

イエスは愛とは何かを示されました。ご聖体、これが見える神様の愛です。愛とは、自分の全部を使って、いのちを使って人のいのちのために働くことです。 人は愛を忘れてしまった。愛の大切さを知りなさい。愛することこそいのちの喜びではないですか。

人は悪の世界、欲求の世界、力の世界にずぼっと入ってしまった。わたしの世界に戻ってほしい。わたしはあなた方を悪の世界から買い戻すために代価を支払いました。その代価とはわたしの命です。わたしの体と血が代価です。

ご聖体、わたしの体と血があなたがたへの愛です。わたしはパンの中に入ります。わたしを食べなさい。わたしの愛があなたの中に入る。わたしの道を歩いてほしい。

今日もご聖体をいただきます。ご聖体にわたしの生涯を思い起こしてほしいと願っています。


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