「年間第31主日」(C年)説教
2016年10月30日・加藤 英雄師


 

  イエスはエリコに入られました。その町にザアカイという徴税人の頭が住んでいました。
今日、一緒にザアカイと言う徴税人について考えたいと思います。徴税人は罪人です。ローマに収める関税をイスラエルの人たちから徴収している。その徴税人、徴税人の頭です。ローマのために働いている。その生活は豪華です。立派な屋敷に住んでいる、豊かな収入を得ています。

徴税の仕事は役所から権利を買うのです。ローマからの仕事、徴税の仕事が役所に降りてくる。その権利が地域に分かれて売りに出される、その権利を買った人が手下を集めて徴税の仕事をするのです。ザアカイは徴税人の頭です。徴税人の頭は強い力を持っている。もし、税金を払わないという人がいた時は、ローマの軍隊に力を貸してくれるよう願うことが出来るのです。徴税人の頭は何でも出来る。

人々はザアカイを嫌っている。だからこそザアカイは立派な屋敷に住んでいる、高い収入を誇っているのではないでしょういか。ザアカイは会堂に行きません。行けなくなったから行かない。祈ることも忘れてしまった。それが自分の生活になってしまったのです。徴税人として、ローマのために働いている。人々は言う。わたしたちは毎日毎日、仕事を捜しながら生活している。貧しくてもイスラエルの誇りのうちに生活したい。実に毎日の生活が苦しい。一方、ザアカイが住んでいる。目の前にいる。だから、よけいにザアカイが嫌いになる。

信仰とは何ですか。喜び、感謝です。生きている喜び、生きている感謝。周りを見れば、自然がわたしたちを包んでいる。自然の力を感謝し、楽しむ。人の中に生活している。また、人と出会う。人に支えられて生きている。感謝です。 生活は食べること、飲むことです。それ以上に愛することです。自然を愛する、人を愛するのです。信仰は生きる喜びです。

長崎の信仰は根付いていると言われています。生活が信仰です。信仰が生活です。神様によって生きている。教会によって生きている。 信仰を持つことが難しかった、しかし、信仰を捨てなかった。なぜでしょうか。
江戸時代、キリシタンの激しい迫害がありました。お百姓さんたちの生活を考えてみますと、お百姓さんたちは武士の道具だったのです。武士のためにお米を作る、お百姓さんたちの生活は年貢を納めることだけでした。収めることが出来と、処罰が待っていました。例えば蓑踊りです。蓑を首に巻かれ、蓑に火をつけられます。苦しくて踊る。それを役人が笑いながら見ているのです。もっとひどい拷問があったようです。夜集まりがある。お祈りをする。終わると、そっと取ってあったお茶を飲む。ここで始めて仲間が集まって笑うことが出来るのです。

京都だったでしょうか、神学校が出来ました。子供たちが歌います。オルガンがあった。弾いてみるかい?弾きたい者、興味を持つ者が弾くことが出来る。病人がでている。助け場所を作ろう。食べるものがない人がたくさんいる。食べられるよう工夫しよう。父さんは正座して、難しい本を読んでいる。人とはこうあるべきだと話をする。このように生きるべきだと話す。町に出て、貧しい者に触れてはいけないという。子供たちは思うのです。神父さんの教えに本当がある。

長崎で激しい迫害がありました。また、26聖人の迫害がありました。殉教した人たちは言います、この教えはいのちの教えだと知っています。自分が生きるのではなく、仲間が生きる。仲間が生きるから、自分が生きる。それが自分たちの生活でした。だからこの教えを捨ててはいけない。命をかけてもこの教えを捨ててはいけないのです。

わたしたちはこの殉教者たちの姿を忘れてはいけません。信仰とは、隣人が生きるために働くのです。
ザアカイとは誰ですか。
ザアカイはイエスが来ることを聞いた。イエスに会いたいと思った。イエスは神様を語る。神様のみ心を行う。そんな預言者に会いたいと思ったのです。ザアカイは豊かな生活を選びました。立派な屋敷に住むことを選びました。ザアカイはイスラエルの民です。今、自分は仲間はずれですが、昔は、友達だった仲間と一緒に会堂へ行った。一緒に祈ったのです。

イエスが来る。イエスと会いたい。顔だけでも見えたらいいい。イエスが話し始められた。そばに行こうとした。人々が多く集まって、遮られて見ることが出来ない。先回りして、いちじく桑の木に登って待っていた。イエスが通りかかった。イエスはその場所に来ると見上げて言いました。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひ、あなたの家に泊まりたい。」 ザアカイは立ち止まって主に言った。「わたしは貧し人々に施します。」 イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。」イエスは人々に言うのです。ザアカイもアブラハムの子です。

人々は、ザアカイは罪の道を走っていると思っています。ザアカイは立ち止まったのです。立ち止まってイエスに言ったのです。わたしは貧しい人々に施します。

神様、あなたは万物の造り主です。あなたは愛する者としてわたしたちをお造りになりました。あなあたの愛によってわたしたちは生まれ、生きています。あなたはわたしたち一人一人を見ておられます。心に留めてくださっています。
しかし、わたしたちは罪を犯してしまいます。あなたは罪を犯した者の回心を求められています。あなたはイエスをわたしたちのために送られました。罪の世界、悪の世界からわたしたちを買い戻すためにイエスを送られました。わたしたちはイエスと出会いました。 イエスによって命を知りました。愛を知りました。神様を知りました。

あなたはどのような人も愛されます。
感謝、感謝、感謝。
神に感謝。


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