わたしたちは神様と出会いました。神様は言われます。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだ。神様はわたしたち一人一人に心を留めておられる。
神様と出会ったわたしたちの目の前に、門があります。門を開き、ここから始まる道を歩きなさい。
今日第一朗読・創世記、第二朗読・テモテへの手紙を読みますます思ったのです。神様がわたしたちを、福音のために働くように選ばれたのだ。普通、神様から選ばれたというと、深い霊性を持つ者、人々の善き指導者、力がある、人望がある者たちが選ばれると思ってしまいます。
しかし、神様はわたしたちを福音のために、苦しみの中にある喜びを味わわせるために選ばれたのです。
創世記はアブラムの出来事を語ります。アブラムが選ばれました。アブラハムは族長です。族をまとめます。人々の安全を思います。生活を思います。アブラムは先頭に立って歩みます。
その時、神様は厳しい事を言われたのです。アブラム、生まれ故郷を離れなさい。父、祖父から引き継いだ財産から離れなさい。あなたはわたしによって新しい世界を造るのです。命の喜びの世界を造るのです。わたしの言葉のうちに生きなさい。アブラムが神様の選びです。苦しい生活をする選びです。人のために働く者となる。わたしが与える祝福の源となりなさい。
福音を読んだ時、あっと思いました。ペトロ、ヤコブ、ヨハネの三人の弟子は天上にいるイエスを見たのです。三人の弟子たちはイエスの連れられ、高い山に登りました。高い山、神様との出会いの場です。 イエスは三人から少し離れて、三人の前に立ちました。イエスが光に包まれました。イエスの顔は太陽のように輝き、服は真っ白に光り輝いています。モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合います。三人はこの光景に圧倒されます。その時、光り輝く雲が現れ彼らを覆いました。雲から声が聞こえました。「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け。」
弟子たちはひれ伏します。イエスが彼らに手を触れられました。彼らが顔をあげて見上げるとイエスのほかにはだれも見えませんでした。一同が山を下りる時、イエスは命じます。人の子が死者の中から復活するまで、この出来事をだれにも話してはならない。」
今日イエスはわたしたちに言われます。高い山に登りなさい。体が重くては山に登れない。着飾るための服装ではいけない。歩きやすい靴を履きなさい。山に登るその道を味わいなさい。道が見えなくなった時、急な坂に登れそうにない時、イエスに聞きなさい。イエスに従いなさい。
今、この世から脱出する。モーセが受け取った律法、律法が示されるすべての出来事を思い巡らします。律法の書はモーセ5書、神様のみ心、人の動きが書かれています。その出来事に、神様のみ心を見つめます。預言者エリヤ、祭司をすべて打ち殺し、偶像崇拝を根絶させました。神様への道を純粋に力強く歩きました。
三人の弟子たちは天上のイエスを見ました。イエスは、まさしく、この世を去っているモーセとエリヤに会い語り合っていたのです。この出来事は人に話しても、誰も信じなかったと思います。
ペトロ、ヤコブ、ヨハネあなたたちを選んだ。イエスと共にこの世から出発しなさい。人を導いて歩きなさい。
ミサは新しい過ぎ越し、出発の時の食事です。イエスが導かれるこの世からの出発です。
わたしがあなたを選んだ。福音のために働きなさい。隣人に命を与えるための手助けをしなさい。与える者になりなさい。欲求、欲望の世界から思いやりの世界を造って行く。神様の憐れみの世界を見るのです。得をするためでなく、損をするために働くくのです。それが神様の恵み、それが神様の選びです。