「灰の水曜日」 説教
2012年2月22日・加藤 英雄師

 

  今日、わたしたちは灰の水曜日を迎えました。主は言われます。(あなたたちは)あなたはいつの間にか、わたしから離れてしまっている。あなたは何を求めているのですか。何を願っているのですか。主は言われます。今こそ、心からわたしに立ち返りなさい。今のあなたの心を裂きなさい。神とは何か。自然とは何か。自分とは何か。もう一度、始めから思い巡らしなさい。信仰の父と呼ばれているアブラハムは神様の声を聴きました。父の家を離れてわたしが示す地に行きなさい。父の家とはおじいちゃん、お父さん、そして自分たちの三代が住む家です。父の家を離れなさい。そして、神様のうちに住む者となりなさい。アブラハムは出発しました。今日わたしたちは神様の呼びかけを聴きました。いつの間にか神様を離れていた。いつの間にか自分の世界に住む者となっていた。 新しい出発です。
断食します。心を開きます。今自分のいるところから神様が求められているところに行きます。そこに住みます。そんな決心の日です。主よ、わたしに心をとめてください。わたしはキリストのうちに入ります。

わたしたちはミサの中でご聖体をいただいています。ご聖体はキリストの姿。キリストを食べている。キリストはわたしたちの内に入って来ています。わたしの体のうちに、心のうちにキリストは住まわれている。キリストの言葉がわたしたちの心に刻まれている。

キリストの道を歩みます。しかし、イエスは言われます。偽善者になってはいけません。神様に熱心になる。深く、長く祈ります。頻繁に善いことを行います。力を尽くして施します。その祈りは何のためですか。誰のために祈っているのですか。あなたにとって善とは何ですか。施しとは何ですか。 世の友になってはいけませんというヤコブの手紙を思い浮かべました。 世のために祈っているのですか。世のために善を行っているのですか。世のために施しているのですか。そうではありません。世のためではなく、神様の思いのうちに行うのです。行った、そこから何らかの得を求めてはいけません。そのための成果を求めるとき、世の友になっているのです。偽善者になってはいけない。
自分を捨てなさい。

四旬節。光がない時。苦しみを十分経験します。苦しみの中でイエスと出会いたいと思います。



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